私は、前田正史教授(東京大学生産技術研究所)の後任として、平成20年度「国立大学附置研究所・センター長会議」会長を務めることになりました東京大学医科学研究所の清木元治でございます。一言就任のご挨拶を申し上げます。
本会議は、平成16年度に実施された国立大学法人化による文部科学省所轄の研究所の組織変更に伴い、60年あまりの歴史を持つ「文部科学省所轄ならびに国立大学附置研究所長会議」が改組され、新たに生まれた組織であり、全国の国立大学に附置された83の研究所・センター(28大学)から構成されております。
これまで国立大学の附置研究所・センターは、我が国の学術研究の中核として、幅広い研究を先端的に推進する直接的研究への貢献とともに、先端的研究を通して大学院教育を行い、研究者・技術者の育成を行う事業に、重要な役割を果たしてきました。これまで三期にわたる科学技術基本計画においても、その実行に大きな役割を果たしてきたのが大学に所属する教員であり、とくに附置研究所・センター群の寄与は大きいと考えます。しかし、旧国立大学が法人化したことによる財政上の大きな変化により、従来附置研究所が担っていた様々な役割が、予算上は大学運営費交付金として法人の自由裁量に任される、と言う美名の元に十分手当てされておりません。国として最低限保持すべきである施設、設備、資料、史料の管理、更新、増強がほとんどなされていません。
従来にも増してこれらの役割を十分に果たさねばならない国の要請があるにもかかわらず、これがなされにくい状況、あるいは基礎・基盤的研究の遂行が困難な状況が生じております。このような状況は「科学技術創造立国」を標榜する我が国にあって、誠にゆゆしき事態と言わざるをえません。
これらの状況を改善するためには、国立大学附置研究所・センターが果たしている役割を、行政の方々のみならず、学生・大学の教職員を含む国民の皆さんに広く知っていただくとともに、各研究所・センターの連携が重要であると考えます。このため、昨年度は、金前会長のリーダーシップの下、各研究所・センターの活動内容や研究成果を知っていただくために、(1)ホームページの充実、(2)研究所・センターの活動を載せた要覧、パンフレットの作成、(3)各研究所・センターの実情を把握し、協力関係を強化するためのアンケートの実施、(4)各部会主催のシンポジウム、講演会の企画・実施などの活動などによりそのプレゼンスを高めるよう努力をしてまいりました。
20年度の活動も、これまでの方向を継承、発展させることにより、我が国の学術の発展、研究者養成を含む学術研究体制の充実に貢献できるものと考えております。
皆様のご協力とご理解をお願い申し上げます。