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琉球大学熱帯生物圏研究センター

住所:〒903-0231 中頭郡西原町千原1
URL:http://w3.u-ryukyu.ac.jp/tbrc/
センター長:太田 英利
センター長の専門:系統分類学
センターの概要
熱帯生物圏研究センターは、琉球大学キャンパス内の西原研究室、瀬底島にある瀬底実験所、そして西表島にある西表実験所より構成される、日本最南端の全国共同利用施設である。本センターでは、琉球列島をはじめとする亜熱帯から熱帯にかけての陸域、汽水域、沿岸域、さらにはより沖合の海域に見られる生物の多様性、そしてそれらが示すさまざまな生命現象に関する研究を行っている。研究組織は6つの研究領域と客員部門から成り、国内外の研究者との共同研究を行うほか、外部研究者が主体となった研究プロジェクトへの施設・設備の提供も実施している。また野外での実習や調査のベースなどとしても機能し、大学院生や学部学生の教育に利用されている。

研究内容・特色
沖縄県を中心とした琉球列島は、豊かなサンゴ礁、マングローブ、照葉樹林に恵まれている。これまで本センターでは、このような地の利を生かした野外での研究や、圃場、飼育水槽を利用した実験研究にもとづき、亜熱帯動植物の生理、生態、微生物を含めた生物相互の関係、そして進化の機構やその結果として生じた系統的・分類学的多様性の解明をすすめてきた。平成16年の改組後は、特に理論的なモデル研究や仮説検証的な研究も加え、分子レベルにおける研究と共に、個体・社会-環境系の包括的な把握を目指している。
    熱帯生物圏総合研究部門
  • 多様性生物学研究領域:
    熱帯・亜熱帯島嶼における陸生動物の分散や、分化、固有化、特殊化、そして絶滅それぞれの要因とプロセスの解明
  • サンゴ礁生物生態学研究領域:
    サンゴ礁域生態系を構成する、各種サンゴをはじめとした無脊椎動物における、生態的、進化的、集団遺伝学的特性の解明や、近年顕著な種多様性低下の防止、回復のための有効な科学的手法の開発
  • サンゴ礁生物機能学研究領域:
    サンゴ礁魚類の活動リズム発現における環境及び体内要因の解明、熱帯性魚類に見られる性転換機構の分子解明、人為的性転換技術の開発による魚類資源の有効利用
  • 植物機能開発学研究領域:
    牧草をはじめとした熱帯性有用植物の導入、順化、栽培・利用法の開発、導入種の生産機能の効率的な発現機構の解析、熱帯・亜熱帯域の自然環境に適合した生産システムの確立
  • 森林環境資源学研究領域:
    熱帯・亜熱帯森林植物の種組成や分布、林分構造、資源量の解明、資源・民俗植物学的分類、森林資源論の確立、絶滅危惧種の特定や保護。昆虫における群集構造の解析、絶滅危惧種の現状や生態の解明
  • 生物資源機能学研究領域:
    マングローブが環境から受けるストレスや、人為的操作、台風などによってもたらされるダメージからの回復メカニズムの解明、再生手法の開発
    生物圏総合客員部門
  • 国内客員研究員及び外国人研究員:
    各研究領域と連携した共同研究の推進


最近の成果
瀬底実験所での研究により、サンゴ礁魚類の日周性及び月周性発現における体内時計の働きの一端が解明されるとともに、一部の魚類の卵巣を組織培養によって精巣へと転換させ、さらには成熟精子を形成させることにも成功した。また、沖縄本島沿岸の大規模白化後のサンゴ群集の回復過程や、慶良間諸島における同じくサンゴ群集の維持更新機構の解明にも成功した。西原研究室では腸炎ビブリオが汽水域で増殖した後、河口から流出して漁港や養殖場で海産魚介類を汚染することを明らかにした。その一方で、琉球列島や台湾の陸生動物(おもに爬虫類、両生類)が描く系統地理に関するデータや古生物学的データを従来の地質学的知見と総合することで、この地域における種の多様性、固有性の変遷史や現状、そしてその土台となった島嶼域そのものの水陸分布の変遷史に関する確度の高い仮説の構築にも成功した。西表実験所では熱帯起源のイネ科の牧草、ショクヨウカンナ等を導入し、その栽培方法を確立した。未利用植物のクサミズキにカンプトテシン成分があることを明らかにし、制ガン剤の商品化にも貢献した。さらには絶滅危惧昆虫であるイシガキニイニイやダイトウヒメハルゼミなどの生態の解明、西表島をはじめとした熱帯・亜熱帯域のマングローブの再生・保全でも成果を上げてきている。

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