研究所の概要
「物質化学における先導的な総合研究」によって21世紀の先端的産業技術の礎を築くことを目的として、2003年4月に、先導物質化学研究所が設立されました。有機化学および分子集積化学に関する研究グループと、無機およびプロセス工学の研究グループおよび融合材料の研究グループとが連携して、原子・分子・ナノスケールからマクロスケールまでの物質の構造と機能にかかわる基礎学術とその応用に関する世界レベルの中核的研究拠点を形成するべく努力しています。
研究内容・特色
- 有機分子、特に光物性、磁性、伝導性等の特異な物性を発現する物質の特性を明らかにし、特徴ある機能分子の開発を行う。また、このような分子を高効率・高選択的に得るための物質変換法を開発する。
- 物質化学の未踏領域である原子集合体(クラスター)、分子集合体、超分子の構造と機能に関する基礎化学を確立し、触媒機能や生体関連機能を持つ分子や集合体の創出を目指す。
- 分子ナノテクノロジー、バルク材料の微細加工、自己組織化等の手法を駆使して有機−無機−バイオ、炭素−有機など従来の学問領域の境界に位置する融合材料の創成と応用を目指す。
- 精密に構築された分子・原子集合体の微細構造の計測と機能解析、規則配列を実現するプロセスの開発を通じて、制御されたナノ構造を有する機能材料を実現し、先端デバイスの実現を目指す。
- 以上の特徴ある分子、分子・原子集合体、ナノ材料、融合材料の先導的な物質化学領域を創造するとともに、研究成果を、新規デバイス、環境保全材料、環境適応型プロセス、生体適合材料等、ナノサイエンス・ナノテクノロジーを基盤としたIT、ライフサイエンス、環境分野への展開を図る。
最近の成果
- ポストゲノム研究で必須のDNA分析やマイクロアレー分析などに用いる新規有機物質の創製と応用に向けた研究を展開し、高効率蛍光発光色素の開発・実用化に成功した。
- 高性能リチウムイオンおよびポストリチウム電池の開発、カーボンナノファイバーの新規エネルギー貯蔵デバイスや環境浄化材料への応用など、エネルギー・環境技術に関する複合的な研究を展開している。
- 高効率な化学反応の機構の解明と新規反応への応用を目指して、高機能分子触媒の開発とそれを用いた新規な有機化学反応の開発、環境適合型実用プロセスへの展開をシステマティックに実施している。
- 有機EL、有機半導体、高分子液晶、高分子レーザー、フォトニック結晶、光磁性材料等、新規光機能性材料の創製とデバイス化の研究を展開している。

世界で初めて開発された光応答性分子磁石

メタンなどの小アルカン単分子識別を可能とするキャピタンドポルフィリン(上)

核酸シャペロン活性を持つ高分子材料による、正確、迅速、簡便な一塩基変異解析(下)