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大阪大学レーザーエネルギー学研究センター

住所:〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-6
URL:http://www.ile.osaka-u.ac.jp/
センター長:三間 圀興
センター長の専門:プラズマ物理学、レーザー核融合科学
センターの概要
レーザーエネルギー学研究センターは高出力レーザーが生み出すエネルギーの集中性を活用し、「レーザーエネルギー学」という新しい学問領域を開拓、その体系化をめざしています。高出力レーザーとこれが生み出す先進光科学は、基礎科学から産業応用に至る幅広い分野の基盤をなしており、これがもたらす新しい研究領域は21世紀の社会に大きく貢献できる重要な科学技術です。研究部は5部門で構成され、また、全国共同利用施設として、国内外の研究機関との共同研究を実施するため共同研究専門員会,連携研究推進室,及び産学連携推進室が設けられています。

研究内容・特色
各研究部の研究内容と特色は次のとおりです。
  1. パワーフォトニクス研究部門: 新レーザー材料、高耐力光学素子、光制御技術、光増幅などの先進光基盤技術を開発し、極限的な高出力、高強度レーザーシステムの構築をめざしています。
  2. レーザー核融合学研究部門: 高速点火による核融合点火・燃焼を目指して、超高密度爆縮と加熱のプラズマ物理、超高密度プラズマ診断、燃料ターゲット、炉システムの研究を行っています。
  3. 高エネルギー密度科学研究部門: 高出力レーザーで生成される高エネルギー密度状態を研究し、天体物理、地球・惑星物理、加速器科学、核科学への寄与を視野に入れて、高エネルギー密度科学のフロンティアを開拓しています。
  4. レーザーテラヘルツ研究部門: 先進的なレーザー技術を利用したテラヘルツ帯の光源・検出器開発、これを利用した基礎研究や応用技術、および超高速量子デバイス等の開発に取り組んでいます。
  5. 光・量子放射学研究部門: レーザー生成プラズマから放射される極端紫外線 (EUV)、X線、γ線などの電磁放射や電子、イオンなどの高エネルギー粒子の発生と輸送に関する物理を明らかにするとともに、その幅広い応用を目指して高性能化研究を実施しています。

最近の成果
  1. 新しいレーザー核融合の先進的な点火方式「高速点火」の有効性を世界に先駆けて実証
    「高速点火」はコンパクトなレーザー核融合システムが可能と期待される先進的なレーザー核融合点火方式です。激光XII号レーザーで爆縮した高密度プラズマに世界最高性能のペタワットレーザーを照射して加熱し、効率よく核融合反応を起こすことに成功しました。この成果は「高速点火」の有効性を実証するもので、次の課題である核融合点火・燃焼をめざす高速点火実証計画(FIREX計画)を開始しました。
  2. 極端紫外光への変換効率世界最高値を達成
    次世代半導体製造には極端紫外(EUV)リソグラフィ技術の実現が不可欠です。EUV光を効率よく発生するためレーザープラズマ光源に大きな期待が寄せられています。レーザーからEUVへの変換効率3.0%(世界最高値)を達成し、実用機開発へ向けた課題の一つがクリアーされました。また、文部科学省リーディングプロジェクトの下で整備を進めてきたEUV光源開発共同実験設備が整備され、光源開発研究がさらに加速されます。
  3. レーザー核融合の革新的アイデア―衝撃点火―
    2004 年春、これまでにない(1)シンプル(2)高利得(3)低コストという三拍子そろった魅力的な長所を兼ね備えた我が国のオリジナルデザインとして“衝撃点火ターゲット(図1)”が阪大レーザー研より発案されました。その実現には1000km/s という前人未到のレーザーによる超高加速が必要不可欠となりますが、一昨年、この目標値に肉薄する650km/s という世界記録が激光XII レーザーを使い樹立され(図2)、さらに昨年秋には初の統合実験で2 千万個もの中性子発生が観測されました。海外の研究機関からも注目され、衝撃点火研究のための日米露の国際ネットワークが動き始めています。


  4. テラヘルツ波で筆跡痕読取に成功
    2006年の春、阪大レーザー研と大阪府警科学捜査研究所の共同研究グループはテラヘルツ波と呼ばれる特殊な電磁波(周波数およそ0.1〜10 THz)を用いて、紙の表面に残ったわずかな筆跡痕から文字を読み取ることに成功しました。実用化されれば、文書偽造・脅迫状作成の裏付けなど、犯罪捜査に役立つことが期待されます。テラヘルツ波は紙やプラスチックなどの非金属の物質を透過しやすいので様々な物体の内部イメージを取得する(透視する)ことが可能で、製品の品質管理、セキュリティ、医療等の分野で新しい診断、解析手段としても期待されています。(本成果は2006年6月1日読売新聞社会面に掲載されました)



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