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京都大学放射線生物研究センター

住所:〒606-8501 京都市左京区吉田近衛町
URL:http://www.rbc.kyoto-u.ac.jp/
センター長:小松 賢志
センター長の専門:放射線分子生物学
センターの概要
放射線生物研究センターは、放射線が生物に及ぼす影響に関する基礎研究を行うとともに、研究の交流と協力の推進を目的に、1976年に設立された全国共同利用研究センターです。人類が放射線を入手した百年余の歴史の生物影響に留まらず数十億年の生物進化により獲得した生命のゲノム恒常的維持機構を追求しています。これらの研究成果は人類の難病であるがんの放射線治療の分子生物学的基盤として、また我が国の電力・エネルギー源の重要な一角を占める原子力発電などの放射線リスクの学術的基盤として現代の社会生活とも密接に関わっています。

研究内容・特色

  1. ヒト細胞や酵母から独自に単離した新規蛋白を用いた、染色体が最もダイナミックな変化を遂げる有糸分裂期における、ゲノム情報を娘細胞に均等に分配するスピンドルチェックポイントの分子機構の研究。

  2. ゲノムDNAに損傷を与える放射線、紫外線から可視光までを含む光(電磁波)に対する生物応答を、突然変異生成と外部環境適応の二つの側面から解析する、生体調節機構の研究。

  3. マウス個体、および酵母や培養細胞のクロマチンを対象とした解析から、長い潜伏期を経て誘発される放射線発がんの原因となる、非損傷DNA部位の永続的な突然変異発生を特徴とするゲノム不安定性誘導の分子機構の研究。

  4. 各種の放射線感受性遺伝病とその原因蛋白を中心として、ゲノムDNA損傷のセンサーにより開始する、相同組換えやチェックポイント制御とヒストン修飾などの、損傷の初期応答機構の研究。

  5. 公募による共同利用研究の推進と国際的評価の高いRBC International Symposiumをはじめとする各種のワークショップ・講習会の開催。

  6. 主な実験機器としてはα線、γ線、X線照射装置、また低線量長期放射線照射装置では、培養細胞や小動物を任意の線量率で照射できるので内部被曝のシミュレーション実験も可能。一方、当センターが保有する1200株のDNA修復欠損遺伝病細胞はこの分野の我が国最大規模施設。



最近の成果
ゲノムDNA の修復と子孫への遺伝子分配を担う相同組換えは細菌から高等真核生物まで保存されている生命維持に重要な機能である。では一体、相同組換え能を欠失したヒトは生きていられるのだろうか? この疑問に答えてくれるのが2003年センターから発表した論文である。論文では東ヨーロッパを中心に90 人ほどの患者が報告されている放射線感受性や高発がん性を特徴とする劣性遺伝病の原因が相同組換え能の低下である事を示した(Nature, 2002)。続く論文で、疾患の原因蛋白NBS1 は相同組換えの修復蛋白を放射線損傷(恐らくDNA 複製中に自然発生する損傷も)部位にリクルートする機能を示し、ヒストンH2AXを含むその分子機構も明らかにした。その後、損傷の初期センサーと言われていたATM(他の放射線感受性遺伝病の原因蛋白)もNBS1 により損傷部位にリクルートされることが他の研究者によって報告され、初期センサー蛋白は何か、またどのようにして認識するのかという論争に一石を投じた。



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