HOME > 研究所・研究センター一覧 > 京都大学生態学研究センター

京都大学生態学研究センター

住所:〒520-2113 滋賀県大津市平野2丁目509-3
URL:http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/index.html
センター長:高林 純示
センター長の専門:陸域生物間相互作用
センターの概要
京都大学生態学研究センターは、「生態学の基礎研究の推進と生態学関連の国際共同研究の推進」を目的に、平成3年に全国共同利用施設として設置されました。平成10年度には大津市瀬田のキャンパスに新研究棟が完成し、平成13年4月には、「生物多様性および生態系の機能解明と保全理論」を研究目標として掲げ、やはり全国共同利用施設として第2期生態学研究センターが発足し、今日に至っています。

研究内容・特色
当センターではフィールド研究、理論モデル解析と実験研究を組み合わせて、次のような研究課題に取り組んでいます。
  1. 水域生態系の構造と機能の解明
  2. 熱帯林の生物多様性と機能の解明
  3. 陸上生態系における生物間相互作用による生物多様性創出機構の解明
  4. 理論的手法による生物多様性の創出・維持機構の解明
  5. 遺伝子分析・安定同位体解析などの分子的手法を用いた生態現象の解明
  6. 生態学的プロセスが生み出す生物機能の多様性の解明と保全理論の構築

最近の成果
  1. 「大津臨湖実験所時代より過去100年近くに亘って採集・保存されてきた生物標本の窒素同位体比分析を行った結果、富栄養化の予兆が見られた60年代に在来魚の栄養段階が上昇した後、70年代から90年代にかけてほとんどの魚種で栄養段階の急激な減少が確認されました。特に、肉食性魚類は外来魚が蔓延する80年代から90年代にかけて顕著な栄養段階の減少を示しました。琵琶湖本来の生態系機能が人間活動の影響で数十年という短い期間で激変したことを明らかにしました。
  2. 熱帯降雨林生態系の構造と機能についてキナバル山で調査し、低温と低土壌リン下で、リン利用効率の高い樹木が優占していることを見いだしました。東南アジア熱帯低地のフタバガキ林の一斉開花について、現在までの知見の集大成を行いました。
  3. 生態系を形作る生物間相互作用ネットワーク研究のための新たなアプローチ (間接相互作用網)を世界に先駆けて提唱しました。この考え方に基づく研究 の集大成を行い、ケンブリッジ大学出版局から単行本「Ecological Communities (2007)」を出版しました。
  4. 植物の間接防衛に植物由来の緑のかおりが重要な役割を果たしていることを遺伝子組み換え植物を用いて実証しました。夜行性の昆虫のリズムが光ではなく植物由来の揮発性物質である場合を実証しました。里山生態系で天敵の行動制御による害虫防除に成功し、持続的農業技術のフレームワークを確立しました。
  5. モンゴルの草原植物の種多様性と年生産が植食大型哺乳類の中規模の被食で最大化すること、また、良好な水環境の草原では種多様性が被食により増加するが不良な水環境では逆に低下することを刈り取り実験で明らかにしました。
  6. 植食者の被食によって植物の成長や繁殖が高められるGrazing Optimizationを理論モデルにより明らかにしました。
  7. 植物の開花時期を決める主要な遺伝子に着目し、その転写量の季節変動を野外条件において測定しました。植物が、過去数週間の温度を分子的にモニターして、開花の開始や終了を決定していることが分ってきました。安定同位体と放射性炭素同位体の天然存在比を用いることによって、食物網構造と炭素循環の関係を扱う研究手法を開発しました。
  8. トンボやチョウなどの全国規模の分布要因について、地理情報システムを利用した解析を行いました。気候変動、土地利用変化、外来生物の導入などが原因となって、種間相互作用や繁殖活動などに変化が生じ、各地域の生物多様性を低下させていることが分かってきました。


このページを印刷する