センターの概要
我が国の獣医・畜産系大学で唯一の家畜原虫病に関する研究拠点として、大学ならびに他省庁との研究連携により、人獣共通感染症としての原虫病の制圧と、動物生産性向上によるタンパク質資源の確保に努め、我が国は勿論、世界人類の健康福祉に学術的貢献をなしうる原虫病に関する総合的研究を推進する事を目的としています。基礎部門、応用部門、大動物特殊疾病部門、国際監視部門からなり、大学院の教育研究指導や国際協力事業団の委託による研究コースも実施しています。
研究内容・特色
平成14年度から18年度に渡り、21世紀COEプログラム「動物性蛋白質資源の生産向上と食の安全確保―特に原虫病研究を中心として―」の中核となって、原虫病に関する総合的な研究を推進しました。
- 発生工学的手法を駆使し、トランスジェニックマウスやノックアウトマスを用いて原虫の遺伝子や発現蛋白質の機能を解析しています。
- 宿主体内・組織への原虫の侵入あるいは増殖機構を解析し、治療薬やワクチン開発の研究を推進しています。
- 吸血性節足動物の原虫媒介機構解明を目的とし、カやダニ体内の原虫の発育機構、防御機構の解明を推進しています。
- 原虫病の正確かつ迅速な診断法の開発し、原虫診断技術の国際的標準法の確立を目指しています。
- 開発途上国の原虫病研究者の育成のための、JICA委託による研究コースを実施しています。
- 食品媒介感染や鳥インフルエンザ等食の安全に関する研究を推進しています。
- 開発途上国および先進国の研究者との共同研究に基づいた国際的ネットワークの形成し、地球規模での原虫病汚染状況の疫学的調査研究を進めています
最近の成果
- ウマ、ウシバベシア原虫の完全長cDNAライブラリーの構築に成功し、新規ワクチン・治療薬の標的分子の探索を開始しました。
- バベシア原虫の赤血球への侵入時に、カルシウムイオン、赤血球膜のコレステロール、蛋白質分解酵素が重要であることが明らかになりました。
- トキソプラズマ原虫をベクター化し、天然型に近い組換え抗原の産生が可能となり、原虫病に対するワクチンの新たなモデルの可能性を示しました。
- ウマおよびウシバベシア病を同時に迅速に診断可能なイムノクロマト法、馬バベシア病、人獣共通感染性のトリパノソーマ症、タイレリア症に対する簡便な遺伝子検出法であるLAMP法を確立しました。
- マラリア原虫に対する蚊の抵抗性にFurrowed因子が関与し、特に中腸において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
- 大腸菌による組換え蛋白(NP抗原)を用いた迅速な鳥インフルエンザウイルス(AIV)抗体検出用ラテックス凝集抑制テスト(NP-LAT)を開発しました。
- ウマピロプラズマ病、ウシバベシア病、スーラ(Trypanosoma evansi)に関して国際獣疫事務局(OIE)のレファレンス・ラボラトリーに認定されました。