
京都大学東南アジア研究所は、1963年、日本における地域研究のパイオニアとして設立されました。2004年4月には、その研究活動内容が評価されて、京都大学附置研究所に再編されました。2008年度現在、東南アジア研究所は、4部門、3客員部門からなる研究部、地域研究情報ネットワーク部、地域研究企画推進室および事務部で構成され、東南アジア地域の学術的交流ならびに現地調査を円滑に行うための海外連絡事務所として、タイにバンコク連絡事務所を、インドネシアにジャカルタ連絡事務所を運営しています。
東南アジア研究所は設立以来、東南アジアに関する膨大な文献資料・画像資料を収集すると同時に、数々の世界的水準の傑出した学問成果を生み出してきました。東南アジア研究所は、また、次世代を見据えた地域研究を発展させるべく組織体制の確立・改革をはかってきました。1960年代からバンコク・ジャカルタの連絡事務所を通じて東南アジア地域におけるネットワークを確立してきましたが、現在、東アジアにおける東南アジア研究のネットワーク拡大を重視し、さらに、欧米の地域研究拠点との組織的連携の確立をはかっています。また、1998年に設立された大学院アジア・アフリカ地域研究研究科への協力による教育・研究の一体化をはかってきました。
東南アジア研究所は、2004年から、東南アジア地域のみならず、他の地域研究に関わる機関とともに、緩やかな連合体「地域研究コンソーシアム」を組織化し、運営の拠点機関のひとつとなっています。そして、2006年4月、京都大学地域研究統合情報センター設立にも協力しました。これらにより、地域間比較研究あるいは通地域的課題に関する共同研究の推進に努め、新たな地域研究発展のための体制作りをはかっています。
最近の成果
東南アジア研究所は、1998年度以来、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)と共同で大型プロジェクトを実施してきました。それは、2002年度までの文部科学省特別推進研究(COE)「アジア・アフリカにおける地域編成—原型・変容・転成」の共同研究、2002年度から2006年度までの文部科学省21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」です。そして、2007年度からは、京大内の地域研究関連機関のみならず、生存圏研究所などの自然科学系機関とも共同して、グローバルCOE「生存基盤持続型発展をめざす地域研究」を実施しています。このプログラムは、地域研究に、生物多様性や炭素循環、さらに大気の動きの議論を組み込もうとする意欲的な研究です。
東南アジア研究所は、これらの研究を通じて、近年、地域情報学、環境感染症学、フィールド医学、そして、生存基盤持続型発展の研究分野を拓きました。