研究所の概要
京都大学人文科学研究所は「世界文化に関する人文科学の総合研究」を目的とする、伝統ある研究所です。1939年に設立された同名の研究所(旧人文)に、東方学院京都文化研究所(1929年設立)および西洋文化研究所(1934年設立)が合体して、1949年に今日の人文科学研究所が発足しました。人類の長い歴史の中で生み出されてきた文化現象を考察の対象として「複雑化・多様化しつつある現代社会において、人文科学が果たす役割は何か」という問題を主に恒常的な共同研究により探究しています。
研究内容・特色
人文学研究部:現代世界を形作る文化の諸様相を深く理解するために、さまざまな角度からの総合的な人文学研究を進めています。先端科学が語りはじめた新たな人間像を視野に入れ、芸術活動とも連携しながら、学問分野の境界を超えた人文学の新たな対象、方法、理論を開拓することをめざしています。複雑化する社会と文化を理解するために、国境を越えて進行する人・財貨・情報の移動、接触、融合といった複数文化間の連関事象を解明しています。また文化の生成・発展・継承の諸相を、文献学とフィールド科学の方法により理論的・実証的に考察しています。
東方学研究部:中国を中心とする東アジアの文化構造を、文献実証主義の立場から総合的に研究しています。言語、宗教、思想、制度、歴史の各分野からのアプローチは、漢字文化を特色とする中国文明の生成・展開、インド・イラン文明との接触、さらに近代における西洋文明との交渉にまで及んでいます。いっぽうで文字資料のみでは明らかにし得ない、考古、図像、芸術、科学技術、礼制習俗の各分野においては、フィールド調査による探究もあわせて行っており、アジアの文化史に数々の新発見をもたらして来ました。
最近の成果
漢字情報研究センター:旧東洋学文献センターを改組して、2000年4月に設立されました。漢字と漢字文化について情報科学的な研究を行い、新しいメディアを通して漢字文献を広く研究者に提供しています。各種の漢字文献資料のデータベースが作成されつつあり、なかでも『東洋学文献類目』『全国漢籍データベース』は、広く世界の研究者に利用されています。2003年より新しい学際領域としての東アジア人文情報学の研究拠点となる21世紀COEプログラムがスタートしました。
現代中国研究センター:京都大学における現代中国研究者が持続的な共同研究を推進するための拠点として、2007年4月1日設置しました。なお、人間文化研究機構(大学共同利用機関法人)と共同して現代中国研究事業を推進するものです。
人文学国際研究センター:世界文化に関する人文科学の総合研究を遂行する国際的な連携研究の拠点として、2006年4月1日設置しました。