研究所の概要
和漢医薬学総合研究所は、「くすりの富山」の伝統のなかで、和漢薬の学理とその応用を研究するため、昭和38年富山大学薬学部附属和漢薬研究施設として設置され、昭和49年に富山大学附置研究所となり、昭和53年に富山医科薬科大学の和漢薬研究所として移行されました。平成17年度には、三大学の統合に合わせて和漢薬研究所から富山大学の和漢医薬学総合研究所として新たにスタートしました。
研究内容・特色

文部科学省21世紀COEプログラム「東洋の知に立脚した個の医療の創生」における機軸としての役割を果しており、東洋医学の診断基準「証」の解明、テーラーメイド医療に欠かせない個人差の解明、薬物資源やその栽培化などの基盤研究を推し進めています。さらに、産学官が連携した知的クラスター創成事業「とやま医薬バイオクラスター」にも研究代表者として参画しています。
- 漢方医学の科学的解明
東洋医学的概念「証」の先端科学的手法での解明。
- 世界各地の天然薬物に関する科学的研究
がん、認知症などの難治性疾患や生活習慣病の予防、治療への有用植物シーズの探求とそれらを用いた作用機序の解析。
- 和漢薬・天然薬物の現代医療における有用性の研究
術後癌転移抑制の目的で漢方処方「十全大補湯」を臨床的に使用。
- 民族薬物研究センター内の資料館では世界の民族薬物21000点の資料を管理し、民族薬物のデータベースを公開している。
最近の成果
- 老人性痴呆改善効果が二重盲検法で証明された漢方薬「釣藤散」の薬理学的裏付けを行った。
- 地域貢献の一環として、富山の配置売薬の処方を見直し、現代人に多い生活習慣病に有効な富山オリジナルブランド製品開発を行った。
- 漢方薬:十全大補湯が癌転移を抑制することを発見し、その分子メカニズムを解明した。
- 関節リウマチ患者の「証」のプロテオミックパターン解析を行い、漢方薬による治療効果との相関性を明らかにした。
- 緑茶や大黄に含まれるカテキン類が腎疾患の予防、治療に有効であることを明らかにした。
- 脳神経細胞のネットワーク形成を促進する天然薬物成分を明らかにした。
- 和漢薬、食品中に含まれるリグナン類が消化管内で内分泌調節物質に変換される過程を明らかにした。
- 魚油の様々な効果をヒトを対象にした介入実験で明らかにした。
- 和漢薬と西洋薬の同時投与の是非を代謝酵素の観点から明らかにした。