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北海道大学触媒化学研究センター

住所:〒001-0021 札幌市北区北21条西10丁目
URL:http://www.cat.hokudai.ac.jp/
センター長:上田 渉
センター長の専門:触媒化学、無機固体触媒設計工学
センターの概要
北海道大学触媒化学研究センターは、「触媒化学に関する研究ならびに全国大学等との共同研究、共同利用に供する」を目的とし、触媒分野でわが国唯一の全国共同利用施設として平成元年に設立され、平成10年には拡充改組されました。そして平成19年度より、7研究部門体制の触媒基礎研究部と、これら部門と学内外の研究者が横断的に連携する複数のクラスターを擁した触媒ターゲット研究アセンブリ体制からなる新組織を始動しました。化学・科学技術の中での枢要な分野である触媒化学に関して、新しい方法論によってその機序を解明し、新機能を発揮する触媒物質や触媒反応を創成し、また触媒の新たな応用を開拓するための基盤と先鋭研究を展開しています。

研究内容・特色
表面構造化学研究部門

酸化物の触媒作用と構造、物性を理解し、ナノレベルで表面構造を規定した新たな触媒を設計・構築することを目的として、 1)新しい酸化物表面解析装置の開発 2)規則性をもった酸化物表面の構築とその触媒作用の研究を展開している。

表面分子化学研究部門

種々の界面での反応を分子レベルで解析し、応用することを目的に研究を展開している。

触媒反応化学研究部門

明確な結晶面を露出した微結晶や、親水的/疎水的な2つの面をもつ微粒子など、新奇な構造をもつ触媒や光触媒を設計、調製し、その構造を活かした新しい触媒・光触媒反応系などの開発を目指した研究を展開している。

触媒物質化学研究部門

触媒酸素酸化反応制御を機軸に、(1)結晶性複合金属酸化物触媒を用いた高難度選択酸化反応,(2)環境に有害なものを酸化により取り除く触媒フィルター、(3)燃焼エネルギーを電気エネルギーに直接変換する触媒素子や燃料電池材料の開発を展開している。

分子触媒化学研究部門

前周期遷移金属化合物を用いた新規炭素−素結合切断/生成反応の開発を展開しており、様々な炭素骨格変換反応を研究開発している。

物質変換化学研究部門

分子設計に基づいた固体触媒の精密構築と応用について研究を進めている。メソ多孔体内で金属ナノ粒子を鋳型合成し、ナノ粒子とメソ多孔体の協奏機能に基づく新触媒反応の開発を目標とする。また、単結晶表面上の単分子層の精密設計による新規な触媒機能の創出をめざしている。

集合機能化学研究部門

有機分子で安定化した金属クラスター触媒の精密合成と構造解析を通して、新規触媒作用の発現機構を分子科学的な視点で解明することを目指している。

触媒ターゲット研究アセンブリ

触媒ネットワーク研究クラスター

触媒研究の連携、融合、新分野開拓を促進するための研究者ネットワークを構築する。触媒分野のみならず分野外の研究者が自由に、グローバルに連携できる場を提供し、触媒研究の諸問題を相互に相談、議論する場、国際的な提言をまとめる場、教育情報や人材情報を提供する場として機能する。

不斉反応場研究クラスター

軸不斉、面不斉、螺旋不斉などの「非中心不斉」を有する化合物の触媒的不斉合成法の開発、および非中心不斉を有する化合物の不斉試薬としての応用研究、それらの化合物が形成する不斉場を利用した分子認識・新たな不斉反応の開発などを目的とする。

規整表面場材料合成研究クラスター

原子レベルで構造が規定された単結晶酸化物表面を物質合成の反応場として用い、規整された反応場(規整表面有機金属錯体)創成の手がかりを探る。

結晶機能化研究クラスター

無機のバルク結晶構造そのものが有する特性を生かし、新規光触媒および光触媒反応系を開発することを目的とする。

エネルギー変換場研究クラスター

固体酸化物形燃料電池(SOFC)の特性を生かして、天然ガスだけでなく生物由来の炭化水素が直接利用可能な次世代の効率的な燃料電池システムを確立する。

バイオ変換研究クラスター

触媒による非食料バイオマスからの燃料・化学品合成を目的とする。再生可能なバイオマス資源の利用を図ることにより、地球温暖化対策の一つとして低炭素社会の実現に貢献することをめざす。そのための新触媒の設計・合成と、反応プロセスの開発を行う。

バイオインターフェース研究クラスター

生体分子や生体材料の界面構造を調べ、界面構造と生体の機能性の関係を分子レベルで解明し、機能性生体材料を創製する。


最近の成果

セルロースの分解による糖アルコールの合成

地球温暖化と石油枯渇への対策として、バイオマスの活用、特に非食バイオマスであるセルロースの利用が重要な課題となっている。セルロースは自然界で最も大量に存在する有機化合物だが、強固な構造のために低分子への分解がこれまで困難であった。しかし、センターでは担持金属触媒上、水中で水素化分解条件を適用することにより、セルロースから糖アルコールを合成することに世界で初めて成功した。炭素効率から酵素法に優るプロセスである。この成功は、自然界での光合成による二酸化炭素からのバイオマス生産ステップと触媒ステップによるバイオマスからの化学品生産とその消費による二酸化炭素へとつながるサイクルを完成することになり、自然と触媒のコラボレーションサイクル(右図)が成立することとなる。




可視光を用いた水の光触媒的分解

半導体光触媒を用いた水の分解は、無尽蔵の太陽光と水からクリーンエネルギーである水素を製造出来ることから注目されている。太陽光の大部分を占める可視光を用いた水分解は、これまで困難とされてきたが、センターでは植物の光合成メカニズム(自然が選んだ方式)を模倣した「2段階励起型水分解システム」を開発し(右図)、広範囲の可視光を用いて水を定常的に分解することに世界で初めて成功した。これは自然では合成されない水素を自然の方式を組み込んだ触媒で人工合成し、水素をエネルギー循環体としてエネルギー生産(化学品も)する体系を可能とするまさに自然が教える方法に従った人工システムであり、確実に二酸化炭素排出を抑えることができる。



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